コラム
私たちの生活に欠かせない「LINE」。国内での利用率は90%以上で、SNSの中でも最も高いです。(※1)
この高い利用率を活かし、最近では多くの企業が顧客へのマーケティングや販促ツールとしてLINE公式アカウントを活用しています。
今回は、アパレルEC業界に焦点を当て、LINE公式アカウントの活用事例をご紹介します。
LINE公式アカウントを使った販促施策の幅を広げたい方は、ぜひご覧ください!
※1:総務省<令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書>より
アパレルEC業界の現状
近年、オンラインショッピングの普及に伴い、アパレルEC業界も大きな変革を遂げています。
その中でも、LINE公式アカウントの活用は、顧客とのコミュニケーションを深め、売上向上につながる強力なツールとして注目されています。
本コラムでは、アパレルEC業界向けにLINE公式アカウントを効果的に活用する方法について詳しく解説します。
まずはアパレルEC業界の現状を見ていきましょう。
1.業界動向
アパレルEC業界の市場規模は右肩上がりで、EC化率は21.5%と全産業の平均EC化率の9.1%を大幅に上回っています。(※2)
当初のアパレルEC業界は「サイズの確認が難しい」「試着ができない」といったマイナス要素があり、これを理由に敬遠されることもありました。
しかし、コロナによる外出自粛で新たにアパレルECを利用するユーザーが増え、オンラインの需要が急激に高まりました。
また、スマートフォンやSNSの普及により、消費者のオンラインに対する心理的ハードルが下がったことも影響しています。
※2:経済産業省<令和4年度 デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)報告書>
2.ECを成功させるための重要な要素
重要な要素はいくつかありますが、特に以下の2点が重要です。
①実店舗の購入体験に近づける機能の搭載
実店舗の購入体験に近づけるためには、実店舗で体験できる試着やスタッフとのコミュニケーションをオンラインで実現することが重要です。
例えば、マネキンの全身コーディネートを見たいユーザー向けに「コーディネートを載せたページ」や「各商品の購入ページ」を一つにまとめたり、
試着できない顧客に対して、以前購入した商品と同じサイズのアイテムを提案したりすることが有効です。
また、オンラインでパーソナライズされた体験を提供することで、ECサイトでの購買を促進できます。
②OMOを実現するためのオフラインとオンラインの連携
「OMO(Online Merges with Offline)」とは、オフラインとオンラインのチャネルを統合し、シームレスな顧客体験を提供することです。
顧客データや在庫情報を一元管理し、例えば以下のような施策を実施することで売上の拡大や業務効率化が図れます。
・実店舗とECサイトのポイント情報の連携
・実店舗とECサイトの在庫情報のリアルタイム反映
これにより、顧客ニーズに応じた施策を実行しやすくなり、売上の拡大が期待できます。
顧客の購買行動をデータとして集積し、消費者に適したアプローチをすることが成功の鍵です。
その中で、LINE公式アカウントは非常に有効な手段といえます。次章では、具体的な施策について解説していきます。
実店舗の購入体験に近づけるLINE公式アカウントの活用事例
LINE公式アカウントを活用して、実店舗の購入体験に近づける事例を解説いたします。
1.ユーザーのお悩みを診断し、おすすめの商品を提示
実店舗ではスタッフとの接客を通じて商品をおすすめする場面が多く見られます。
同様の体験を作るために、LINEのカルーセル機能を使った「診断コンテンツ」を活用する施策があります。
キーワードの自動応答を用いてトークルーム上で診断を行い、タイプごとの説明やコーディネートのポイントと一緒に商品紹介を行います。
これにより、ユーザーは自分に合ったアイテムを見つけやすくなり、購買促進につながります。
2.サイトの閲覧情報からパーソナライズされた購入促進
実店舗では1回目の来店では購入せず、気になっている商品を後日再来店した際に購入するケースもあります。
同様の購入促進ができるように、以下のような配信が可能です。
・トラッキング機能を活用した配信
トラッキング機能とは、ユーザーの行動データやアクティビティを追跡し、分析する機能です。
これにより、ユーザーの興味や行動パターンを把握し、より効果的な配信をすることができます。
たとえば、LINEで配信されたメッセージに基づき、ユーザーがサイトで閲覧した商品を、後日におすすめアイテムとして再配信することが可能です。
この施策では、購入を迷っていた商品について、ユーザーにパーソナライズされた情報を提供し、購入を後押しするきっかけを作ります。
・Criteoレコメンド配信
また、外部ECサイトでのユーザー情報を活用した配信も可能です。
レコメンド配信とは、ユーザーの過去の行動や興味に基づいて、パーソナライズされたコンテンツや商品を推薦する配信です。
Criteoデータフィードを用いた施策では、
収集されたコマースデータを活用することで、匿名性が高くよりユーザーにパーソナライズされた情報発信ができ、売上向上が期待できます。
・オーディエンス連携配信
オーディエンス連携配信とは、外部で作られたオーディエンスをLINE公式アカウントに連携して、特定のオーディエンスセグメントに向けて、ターゲティングされたメッセージやキャンペーンを配信する機能です。
直近ではLINEヤフー株式会社の発足により、Yahoo!JAPANの検索行動データやYahoo!JAPANから他ドメインサイトへ
遷移したデータを活用したセグメント配信もLINE公式アカウントでできるようになりました。
これにより、ユーザーの属性や行動に基づいて、適切なタイミングで関連性の高い情報を届けることができます。
上記を活用した配信を行うことでよりパーソナライズされた情報発信が行えます。
オフラインとオンライン連携したLINE公式アカウント活用事例
続いては、オフラインとオンラインを連携したLINE公式アカウントの活用事例の紹介をいたします。
1.オフライン購買データとLINEデータの連携
LINE ID連携(※3)を行うことで会員証をデジタル化して実店舗やオンラインで使用が可能となります。
連携をすることで企業は会員証を通して顧客データを一元管理できるようになり、よりパーソナライズされた体験を提供することが可能です。
また会員証を通じての購入データやLINEアンケートを通じて取得した嗜好データを活用し、カスタマイズされたメッセージ配信を行うことができます。
その他にも、顧客の購入日に合わせてメッセージを配信したり、
購買商品の傾向に合わせたおすすめ商品を提案することで、ポジティブな印象やオンライン上での丁寧な接客を実現できます。
※3:ID連携とは
2.チャット機能を用いた実店舗のような接客
LINEのチャット機能を活用することで、顧客の質問や問い合わせにリアルタイムで対応できます。
オフライン・オンラインで共通管理しているデータを元に商品に関する質問や在庫確認、配送状況の問い合わせに迅速に対応することで、購入意欲を高めることができます。
また、LINEチャットを利用して、ECサイトでの商品予約や実店舗での受け取り予約のサポートも可能となり、
オフラインとオンラインの境界を超えた一貫したサービスを提供できます。
このように、LINE公式アカウントは様々な方法で実店舗とECサイトを含むオフライン・オンラインのチャネルを連携させ、シームレスな顧客体験を提供できます。
これにより、顧客はオフライン・オンラインを問わずサービスを受けられるメリットを享受し、
企業は複合的な顧客データを基に真のニーズ把握や顧客満足度の向上、売上増加などの大きなメリットを得ることができます。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
アパレルEC業界におけるLINE公式アカウントの活用事例について解説いたしました。
LINE公式アカウントは、アパレルEC業界において活用することで様々なマーケティング上の課題を解決することが可能です。
掲載事例を参考にして、自社のECサイトでのコミュニケーション戦略を強化してみてください。
顧客満足度の向上と売上の増加が期待できるでしょう。
「そうは言っても自社だけでの活用は難しい」
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