コラム
近年、企業の注目を集めているCRM(顧客関係管理)。
顧客データを有効的に活用し、顧客との関係を深めることが売上向上に繋がるため、CRMに特化した部署を設ける企業が増えています。
顧客管理システムを導入してCRMを行う企業も年々増加していますが、皆さんはLINE公式アカウントがCRMに活用できることをご存知でしょうか?
本記事では、LINE公式アカウントをCRMに活用する方法を事例を交えながらご紹介しています。CRM担当者や顧客のデータ管理にお悩みの方必見です!
- TOPICS
- CRM活用がマーケティングで重要な3つの理由
- CRMに最適なLINE公式アカウント
- LINE公式アカウントをCRM戦略に取り入れた事例
- LINE公式アカウントをCRMに活用して、顧客と良好な関係を築こう!
CRM活用がマーケティングで重要な3つの理由
CRMとは、顧客との良好な関係性を築くことを目的とした戦略やシステムのことを指します。顧客データの収集・管理を行い、そのデータを分析しながら活用することで、顧客への理解を深めて長期的な関係を築くことができます。
マーケティングにおいてCRMがなぜ重要視されているのか、その理由を3つご紹介します。
①顧客ニーズの多様化に対応できる
生活者は自分のニーズに合った情報を求めるようになり、よりパーソナライズされたアプローチをすることが企業に求められています。顧客の属性や過去の購買履歴・行動データなどを分析・活用してCRMを行うことで、それぞれの嗜好やニーズに合わせたアプローチが可能になり、購買意欲の促進、顧客のファン化、顧客満足度の向上を図ることができます。
例えば、顧客が特定のカテゴリーの商品を高頻度で購入している場合、その顧客に対して関連商品のレコメンドを行うことで、購入意欲を促進させることが可能です。
CRMを行うことで企業は顧客一人一人のニーズに対応することができ、顧客満足度を向上させることができます。
②顧客ロイヤリティを向上できる
顧客ロイヤリティは、売上を伸ばして企業を成長させる上で重要な要素の一つです。新規顧客の獲得は既存顧客の獲得よりも5倍のコストがかかるという「1:5の法則」があるように、一度商品を購入している既存顧客を維持し、リピート購入を促進する方がコストを抑えられるため、顧客ロイヤリティを向上させることで効率的に売上を伸ばすことができます。
③広告の費用対効果を効率化
広告の費用対効果に関するお悩みをよく耳にしますが、CRMを活用することで一人一人の顧客に最適化されたアプローチができます。大勢への均一的なアプローチを避け、それぞれの顧客のニーズを捉えた施策を行うことで、広告費用を最適化しながら効率よく顧客の購買意欲を促進させ、売上の向上を図ることができます。
以上3つの理由からマーケティングにおいてCRMは非常に重要であると考えられているため、今後も注力する企業が増加することが予想されます。
CRMに最適なLINE公式アカウント
CRMにおいて顧客とのコミュニケーションが成功の鍵になりますが、それを実現する最適な手法が「LINE公式アカウント」です。その理由を4つ解説いたします。
1.データの一元管理ができる
LINE公式アカウントは各顧客接点で得られるデータを収集し、それを活用・分析するための機能が備わっています。顧客情報や購入履歴、問い合わせ内容などを一つのプラットフォームで管理することで、効果的なCRMの実施が可能です。データの整理・活用がしやすい環境が整っているLINE公式アカウントを活用し、顧客のニーズに合わせたコミュニケーションを行うことでCRMを実現できます。
2.パーソナライズされたコミュニケーションが可能
LINE公式アカウントでは、顧客の購買履歴や行動データに基づいて一人一人のユーザーに最適化されたメッセージやクーポンなどを配信することができます。これにより、顧客にパーソナライズしたアプローチが可能となるため、顧客満足度の向上に繋がります。また競合他社との差別化を図る上でも、パーソナライズされたコミュニケーションや体験の提供は重要です。
3.クーポンやショップカード・会員証の機能を利用できる
LINE公式アカウントにはクーポンやショップカード・会員証など、CRMに欠かせない機能が備わっています。これらの機能を活用すれば、顧客のリピート購入を促進するだけではなく、優良顧客に対する特別な施策を行うこともできます。
また、LINE公式アカウントを活用して会員証をデジタル化させることで顧客の購買状況や利用状況を把握しやすくなるため、ポイント付与やクーポン配布などを行うことによって顧客と長期的な関係を構築することが可能です。
4.問い合わせ対応の自動化が可能
LINE公式アカウントにAPIツールを導入してAIやチャットボットを実装すると、問い合わせ対応を自動化することができます。顧客の発言内容や問い合わせに応じてより高度なメッセージを自動で送信できるようになるため、自社のリソースを削減して業務効率化が叶うという企業側のメリットだけではなく、顧客にとっても迅速なサポートが受けられるメリットがあります。問い合わせを自動化させることで、企業と顧客の双方にとって価値のあるサポート環境が実現できます。
以上の理由から、LINE公式アカウントはCRMを実現させるための最適な手法だと私たちは考えています。
次章では顧客一人一人により良い顧客体験を提供するために、LINE公式アカウントをCRM戦略に取り入れた事例をご紹介します。
LINE公式アカウントをCRM戦略に取り入れた事例
ステップ配信を活用して来院率が120%向上【アクネクリニック】
ニキビ治療専門皮膚科のアクネクリニックでは、LINE公式アカウントを予約窓口として活用し、顧客の来院を促進させる取り組みを行っています。
チャットボットを活用してLINE公式アカウントを予約窓口として導入することで、24時間対応が可能になり運用効率が改善しました。さらに同クリニックでは、来院率を向上させるためにステップ配信を有効的に活用しています。特に潜在的な悩みを抱えている顧客に向けて、予約や来院につながるようなシナリオを組み、自動化されたメッセージを複数回配信する仕組みを導入しました。
ステップ配信を通じたクリニックの予約数は約120%も増加し、ユーザーとの継続的なコミュニケーションの実現に大きく貢献しています。予約対応の自動化により顧客の予約に対する負担を軽減するほか、ステップ配信を活用して潜在的な悩みを抱えている方の一助になる情報を提供するなど、同クリニックでは顧客と良好な関係を築いています。
※出典元:LINEヤフー for Business
アンケートを活用した施策でECサイトへの送客率アップ【タカラトミー】
玩具の製造・販売を行っているタカラトミーは、顧客との関係性強化を目的としてLINE公式アカウントを開設しました。
同社は顧客に合わせたメッセージやコンテンツの最適化に取り組んでおり、友だち追加時に実施しているユーザーアンケートの回答データを有効的に活用しています。
例えば、取得したアンケートデータはメッセージ配信だけではなく、リッチメニューの着せ替えにも活用しています。アンケートで顧客が希望ブランドを選択すると、リッチメニューのデザインや構成が顧客ごとにカスタマイズされる仕様になっており、顧客の興味関心に合わせたコンテンツを提供することができます。
この施策を行った結果、一人一人の顧客に合わせた最適なコミュニケーションの実現によって顧客のブランドに対する好意度が向上し、LINE公式アカウント経由のECサイト訪問数が増加しました。
また同社はこの施策を通して取得した顧客データを他の施策のデータとあわせてCDPに蓄積し、このデータを用いてさまざまなブランドを横断した施策の実施を計画しています。
※出典元:LINEヤフー for Business
デジタル会員証の導入でCRMマーケティングを強化し、EC売上が5倍に成長【L'OCCITANE(ロクシタン)】
化粧品メーカーのロクシタンジャポンは、 LINE公式アカウントを活用してデジタル会員証を導入してCRMの基盤を構築しました。
同社はデジタル会員証の導入によってID連携を行い、取得した顧客データを活用したセグメント配信を行って顧客のニーズごとにメッセージを出し分けています。
店舗と連携してデジタル会員証の登録を促進しつつ、購買履歴をもとに顧客フェーズでセグメントを分けて商品訴求のメッセージ配信を行いました。この取り組みによってデジタル会員証の登録数は約2900万人(※1)に達し、ブランドに対する顧客の満足度が向上したため、セグメント配信経由のEC売上は5倍以上にも成長しました。
デジタル会員証の導入は顧客の利便性が向上するだけではなく、企業側は会員データや来店・購買データなどを一元管理できます。顧客データを活用しやすくなる上にリッチ化されるため、これらのデータを活用して顧客の満足度やロイヤリティを向上させるコミュニケーションを実現することが可能です。
※出典元:LINEヤフー for Business
※1:2024年9月時点
LINE公式アカウントをCRMに活用して、顧客と良好な関係を築こう!
いかがでしたでしょうか?
今回はマーケティングで重視されているCRMにおいて、LINE公式アカウントを活用する方法をご紹介しました。
LINE公式アカウントは顧客とのより良いコミュニケーションを実現するための機能が備わっており、さまざまなCRM施策を実施することができます。皆さんもCRM戦略にLINE公式アカウントを取り入れて、顧客と良好な関係を築いていきましょう!
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